数年間にわたって断続的に行なわれたインタビューの記録である『目を見開いて』(1980)において、ユルスナールは自分の生涯、知的形成、自作の成り立ちについて述べ、さらには世界政治、人種差別、フェミニズム、翻訳など多様なテーマをめぐって意見を表明している。回想録『世界の迷路』が作家の少女時代と青春時代の一部しか再現していないのだから、この著作ではその欠落を補うかのようにユルスナールがみずからを語っており、彼女を知るための必読書だろう。ちなみに「目を見開いて les yeux ouverts」とは『ハドリアヌス帝の回想』の最後の一句にほかならない。